こんにちは! 仙台市の不動産エージェント
仙台不動産情報ライブラリー
を運営しています
スイコーの澤口です。
本日は
リフォームの業者選びにお困りの方向け
デザイン重視のリフォーム会社の危険性
というタイトルで
情報配信をしたいと思います。
担当する建築士の住まいづくりについての思想を確認すること
新築住宅では、
ハウスメーカーや建築家によって
それぞれの特徴やデザイン性があり、
その好みで業者選びをすることが
できます。
しかし、リフォームやリノベーション
になると、特徴やデザイン性について
は分かり難いものです。
書店で販売されている
リフォーム関係の雑誌には
デザイン性豊かな完成後の
写真が掲載されています。
バックナンバーも含めて
業者名を隠して
完成後の写真を見比べてみると
その理由が分かるかと思います。
そのような中で
業界団体やメーカーが主催する
デザインコンテスト等が
毎年行われており、
デザイン重視のリフォーム業者が
増えています。
当社も東日本大震災の翌年を除いて
コンテストに応募し続けています。
震災の翌年については、
震災後からお客様宅の修理修繕等
を優先にしていたため、
コンテストに応募できるような
リフォーム工事を行っていなかった
ことが中断理由です。
そのようなことがありましたが、
先日、今年も受賞した知らせが入り、
これで通算15年の受賞歴になりま
した。
実は、これには落とし穴があるのです。
デザインコンテスト等は、
審査員が物件を直接見比べるのではなく
応募書類に応募事項を揃えて
期限までに提出することが一般的です。
写真の撮り方や
物件の見せ方(インテリアなど)
のテクニック的な要素が
少なからず影響しています。
そのようなことがあるので
業者によっては
コンテスト用にお金をかけて
家具やインテリア小物を揃え
プロカメラマンに撮影してもらい
応募しているという話しが
漏れ聞こえています。
これは決して違反行為ではありません。
問題なのは、
コンテストの受賞歴が
新しいお客様からの注文に繋がる
要因になることから
人が生活する建物ということを
軽視してデザイン優先のリフォームを
行っている会社があることです。
審査員は、デザインの審査という
ことなので、あくまでも法令遵守に
てリフォーム工事が適正に行われて
いるという前提みたいです。
しかしながら、
建物によっては
特に昭和56年以前の木造住宅の
場合には、耐震性がないなどの
危険性が生じてします。
また56年以降であったとしても
現行の建築基準法には適合して
いない既存不適格建築物に
なっている場合もあります。
そのような住宅の場合に、
現行法に適うリフォーム工事を
行う場合には、構造に関する補強
工事や断熱工事などの
建物本体の性能を向上させる工事
が必要ですが、
それには多額の工事費用が必要に
なります。
そうなると仕上げなどの
デザイン性を高める工事費用に
予算をあまりかけられないことに
なってしまうのです。
もちろん、お客様の予算が多ければ
デザインにも費用をかけられます。
「その柱を取ったら危険では?」
「そこにレンジを置いて防火上大丈夫?」
「どうしてその壁を無くすの?」
「天井を取って梁表しで吹き抜けにして
かっこいいけど構造補強をしたの?」
これまでにデザインコンテスト等で
他社が受賞した完成後の写真を見て
先のような疑問をもったことが
何度となくあります。
お恥ずかしい話しですが、
20年以上前には
お客様からの要望で壁や柱を
撤去して間取りを変えようと
する時に、
大工さんに
「この壁抜きたいんだけど」
「この柱取りたいんだけど」
と相談して、抜いたり取った
ことがあります。
それって、大工さんの経験と勘
による判断でしかなく、
構造上の検証をしている訳では
なかったのです。
この話は、職人さんの経験と勘に
よる技量を否定したいのでは
ありません。
阪神淡路大震災やその後の大地震
により建物倒壊被害などが繰り返
されており、
そのことから建築基準法令が改正
されたり、既存住宅の耐震性のな
い建物の耐震診断並びに耐震補強
工事が推進されているのです。
そのため耐震性についての根拠を
官学により体系化して判断する方法
が構築されました。
大工さんの経験と勘での判断がよい
のか、それとも科学的に研究されて
いる方法での判断がよいのかという
ことになります。
先のエピソードは、検証方法が確立
している現在においては、あり得
ない話しなのです。
リフォームして
かっこいい部屋での生活に憧れる
方には、デザイン力のある会社が
魅力的に感じることでしょう。
デザインで業者選びをする場合には、
担当する建築士に過去の入賞作品を
見せてもらい、
耐震性や省エネ性、劣化対策、
維持管理更新性などの
国が進める長期優良住宅化リフォーム
工事の必須項目について、
どのような設計にしてあるのかを
説明してもらうことをオススメします。
エビデンスを示して説明できる
建築士もしくは業者であれば、
安心できるのではないでしょうか。
安全を無視したリフォーム工事は、
自らだけでなく
ご家族やご近所にまで
危険を及ぼしてしまうかもしれません。
家での生活時間が増えていく時代に
なり、ライフスタイルと快適性、
そして安全性のバランスをどのように
とるのか、担当する建築士の考え方
も含めて納得できる業者をお選び
下さい。
中古を買ってリノベという
新しい住生活スタイル
仙台市内で活動する
仙台不動産情報ライブラリー
(運営:株式会社スイコー)の
澤口(さわぐち)でした。
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