新築  ·  2019/03/18

    信頼できる建築士に出会うのが難しい時代になりそう　仙台不動産情報ライブラリーcolumn123

    こんにちは！　仙台市の不動産エージェント

    仙台不動産情報ライブラリー

    を運営しています

    スイコーの澤口です。

     

    本日は

    信頼できる建築士に出会うのが難しい時代になりそう

     

    というタイトルで

    情報配信をしたいと思います。

    ○仙台市で沢山の人が建築士へ挑戦

    仙台には建築士受験の大手資格学校が２校あ

     

    ります。そこには毎年多くの社会人が一級建

     

    築士・二級建築士・木造建築士試験へ合格す

     

    るために通学しています。

     

     

    建築士試験は年１回、夏に学科試験、その約

     

    2ヶ月後の秋に設計製図試験が行われます。

     

     

    学科試験に合格した人だけが設計製図試験に

     

    進むことができ、設計製図試験日は学科試験

     

    合格発表日から2週間あまりという短い期間

     

    になっています。

    ○建築士になるために費やす時間と費用

    俗に一級建築士は1500時間以上、二級建築

     

    士は1000時間以上の試験勉強が必要だと言

     

    われています。

     

     

    これは資格学校へ通っていての目安ですが、

     

    かなり大変であることをイメージしていただ

     

    けるのではないでしょうか。

     

     

    ちなみに資格学校の受講費用は、一級建築

     

    士の学科コース、設計製図コースを受講す

     

    ると100万円を超える費用となります。

    ○それでも途中での挫折等が起きてしまう

    高額な支払いを済ませて通学しているのに、

     

    課題（宿題や予習・復習）をこなせずに途中

     

    で挫折してしまう人が発生します。

     

     

    資格学校の担当者が受講生へ連絡を続け、

     

    あきらめないよう促していても断念してし

     

    まうのです。

     

    仕事との両立が大変だからです。

     

     

    特に2月から3月の学習初期の重要な時期に、

     

    年度末という超繁忙期にかかってしまう現場

     

    系の人は、

     

    残業や休日出勤などにより勉強時間が取れな

     

    いということも珍しくありません。

    ○建築士は独占業務として法律で定められている

    建築士は弁護士や税理士同様に国家資格であ

     

    り、建築士しか行ってはいけない独占業務が

     

    法律で定められています。

     

     

    しかし、日本は世界に誇る有名建築家を何人

     

    も出している一方で、多くの建築士がその独

     

    占業務の報酬のみで生活することが厳しい状

     

    況にいます。

     

     

    その歪みとして、平成17年に宮城県出身の建

     

    築士による構造計算書偽造問題は多くの人を

     

    巻き込み、その後建築業界全体への不信を招

     

    く結果となりました。

     

     

    この問題を契機に建築士法が改正され、

     

    建築士事務所と建築士への処罰が厳罰化され

     

    たのです。

    ○建築士の報酬基準見直しによる措置

    建築士法の改正により、報酬基準が見直され

     

    ました。建築主へ設計費や施工監理費などを

     

    適正な報酬として請求する金額を示されてい

     

    ます。

     

     

    しかし、現実的には報酬基準のように請求で

     

    きている建築士事務所は多くないようです。

     

     

    日本の住宅業界は、大工が住宅を建てるとい

     

    う風習により設計費とか施工監理費という概

     

    念がなかったことや、広告宣伝等で集客や契

     

    約に結びつける営業トークにて

     

    「設計費無料です」

     

    としてしまう傾向が多かったために、設計費

     

    は無料なのだというイメージが根付いてしま

     

    いました。

     

    また、施工監理費（現場監督の施工管理とは

     

    別もの：監理と管理の違い）について建築主

     

    の理解を得るのが難しいこともあります。

     

     

    そのようなことにより、若い世代の一級建築

     

    士取得意欲が減退しています。

     

    現在の有資格者年齢の推移（団塊の世代のリ

     

    タイア）より将来的に一級建築士不足が社会

     

    問題化してきました。

     

     

    処罰が厳格なのに取得するのが大変なこと、

     

    そして取得しても見合う報酬を得られる見通

     

    しが立たないことなどが理由です。

     

     

    また、建築主や発注者側からの要求水準が高

     

    くなっていることも要因になっています。

     

     

    このような建築士業務の実態と報酬基準の実

     

    態に乖離が生じていることを改善するため、

     

    国はこの１月21日に業務報酬基準についての

     

    改正を告示しました。

     

     

    適正な業務報酬による業務の健全化、

     

    良質な建築物の提供に役立てるようにとのこ

     

    とです。

    ○長く付き合える建築士に出会うこと

    医療関係では、地方の医師不足、医療過誤に

     

    よる訴訟沙汰が増加、長時間労働になりやす

     

    い科の専門医不足などが社会問題化されてい

     

    ます。

     

     

    医療の理想や意義について共感できるもの

     

    の、自らその担い手になることを考えると厳

     

    しいハードルになるという状況のようです。

     

     

    今後、建築業界も地方で同じような建築士

     

    不足に陥るのかもしれません。

     

     

    人生100年時代においては、

     

    安全に安心して長く住まい続けられる住宅が

     

    必要になります。

     

    それには、信頼できる建築士によりサポート

     

    を受けることが最も重要なことではないかと

     

    考えます。

     

    しかし、信頼できる建築士に出会うことが、

     

    より難しい時代になってきそうです。

     

     

    仙台市内で活動する

    仙台不動産情報ライブラリー

    （運営：株式会社スイコー）の

    澤口（さわぐち）でした。

     

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    カテゴリ： 建築士